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河 THE RIVER

監督 ペア・ロレンツ  製作・1937 製作国・アメリカ

農業保障協会、労働協会、テネシー峡谷理事会、市民組合、陸軍協力によるドキュメンタリー映画。32分のモノクロです。「河についての物語。ミシシッピの記録。水源地から河口まで…人々の恩恵、そして試練。」ドキュメンタリーなのですが、短編映画のように、すっきりさっぱり気持ちよく見れました。語りが独特で、アメリカの地名を繰り返したり、年数を繰り返したり、重要な台詞は強調されていて見る人が問題を意識するような工夫がしてあるように思えました。河の流れる様子が印象的で、河の色んな表情がさまざまな角度から見れます。自然って壮大だなぁ。そこに人間の手が加わって、どんどん悲惨になる河が一番の見どころです…。以下、あらすじと語りの抜粋。

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大陸三分の二の水を運ぶミシシッピ川。河周辺の人々の生活の様子。綿花の栽培が盛んで、採れた綿は船に乗せられ河を渡り他の国々へ…。しかし豊かな農作物も戦争によって焼失し、綿花は育たなく、貧しさに輪をかけ、人々は西へと流れる。西に広がる鉄道のために北部の森林は伐採され、木は西へと流れて行く。技術は進化し、機械も発達。一気に都市化が進む。が、数えきれぬ都市を築いた その結果…切りつくした山は禿山となり、雨の水を吸収することなく一滴残らず河へと流れ込む…かつての穏やかな河はなく、流れの早い濁流、映像が白黒なのでわからないが、見るからに茶色の汚い河に変貌。その結果、街は大洪水、増水の被害に遭う。警備員総動員で、夜な夜な工事が行われる。陸軍海軍警備員…CCC WPA 赤十字までもが河川の工事などに駆り出される。沢山の人々が死に、食料も不足。何千人も避難する事態に。75万人の被害がでた。ミシシッピは溢れ、農地も台無しに。数えきれぬ都市を築いた その結果…広がるのは恐ろしく変貌したミシシッピ川である。1937年、河の救済が始まった。議会も巨額を投入。被害者の救済のために。
 
春や秋に水は流れる 年月をかけ洪水の規模を大きくしていった そして毎年大水は来る あらゆる山々の土を洗い流し 50年で綿花も育たなくなった 50年でコーンも育たなくなり 何を植えても望みがない 

4億トンの土だけがメキシコ湾へ排出される。河川に残ったのは貧しい農民であり、四半世紀かけて増えていった。河沿いの4割は小作農。1割は小作人。湖畔の労働力となった。しかし…

得るのは低賃金のみ 土地も家もない 権力もなく 貧しいだけの人々 作物は自分の口に入らず わずかな賃金のみ 借金だけが増えていく 人々はそこでも育っていく 新天地はなくても 頂上の人間も底辺の人間も自由を勝ち取った人々も 病に苦しみ 泥を舐める人々も 食も医療も教育もなく 不衛生な環境は続く 大河のほとりで

1933年からテネシー川工事を始める。水量を調節できるダムを建設した。水流の調節は1000キロにも及ぶ。農業団体もつくられ、植林し、マツやカシを斜面に植えた。やせた土地に木が生え、水は蓄えられる。森は人によって再生された。農業用地も整備され、良質な土壌を作っていった。テネシーの大地は人工的に蘇り、農民のために農地保障を支出。農民は安心して暮らしてゆけるようになった。

そして水は力に 蓄えられた水は電力に変えられる 河沿いの町にも都会的な生活が 電気は村や町 工場などへ 
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ハッピーエンドで終了。何故だか私には人間賛歌というか、結局人間はすごいんだぞ!というような、驕りというか、そんな気持ちになりました。壊された自然は戻ってこない。壊された自然が人間に刃を向けた結果、人間は自然の大切さに気づき、再生をする。再生をするが、人間にとって都合のよい道具として活用する。頭で考え、発展させることが出来る人間は凄い。人間は自然も操ることが出来る!最強!アメリカ最強!……というようなお話に思えました。しかし、日本はこれに見習うことが多いように感じられ、特に農業…とにかく、荒れた土地というのは地方のいたる場所に置き去りにされているわけで、どうにかしてくれないと人はどんどん減って…いくわけです。無人の大きな家が沢山ありますよ地方は。いつか誰も住まなくなるんじゃないかなーと、寂しく思えてくるときがあります。このドキュメンタリーが作られたのが今(2012)から75年前。人間は変わらない生き物だなぁと感じさせました。

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