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彼岸島

監督 キム・テギュン  公開・2010

見終った後の第一の言葉、くそつまらん。
・ホラー、血が多くて怖め。原作の漫画でも血しかないようなものだから、それが実写となると更に生々しい。
・ふと垣間見せる高校生活のカットは見ていて唯一、和んだ
・ユキ、レイ役は合っていたように思える。しかし、加藤はない。ポッチャリキャラでも食いしん坊でもない。主要な仲間のバランスとしてデブは必要…なのは何となくわかるが、そもそも原作はデブじゃないし、あんな食いしん坊なキャラ付けをしなくても、十分、原作の加藤は加藤だ。顔だって思いだせるし、良いキャラだと漫画の彼が思い浮かんでくるほどだ。な・の・に!似ていなくても、原作に造形は近づけるべき。原作を愛してこその実写だと、それが基本の根底にあるのは絶対だ。逆に似ていないけれど、そのキャラに見えるとか、その世界で立ってるとかそういうのであれば見ている方も気にならないが、とても気になってしまうので成功したと言えないと思う。ケンちゃんの髪型などそこら辺は気にならなかったのはそういうこと。この映画を作っている人は、原作の彼岸島を愛しているのだろうか?私には思えない。別にそんなに好きでもないんじゃないの。げんなり。
・原作の醍醐味である放尿シーンのカット。最低。ホラーだろ?理不尽だろ?それが彼岸島だろ?徹底するべきだったと思う。漫画で、そのシーンって初めて見たとき衝撃だったからさ…これをカットするって…やっぱこの監督さん、原作好きじゃないだろ…。好きでこれ俺が映像化する!!っていう人だったら、これは入れるよ。そのせいで何もかも中途半端。
・村人集団はゾッとした。しかしババアの演技がわざとらしすぎて若干のイラつき。ユキも相変わらずイライラする性格である。
・吸血鬼な村人集団はゾッとして寒気がするほどだけど、それはホラーだけど、ホラーがもつ「最初から最後まで息が付けない」「いつくるかわからないドキドキ」…のどちらかだと思うけど、これは、そのどちらでもない。テンポよくないので簡単に息がつけるし、いきなり襲いかかっても驚くほどの演出でもないのでしらける。
・後半になるにつれ、だれた。40分くらいで、もう見なくてもいいと思った。むしろあと1時間弱も何するのって感じ。だいたい展開がわかる話でも最後まで見せてくれるのってあると思うけど、これは展開がわかる上、最後まで見たくもなくなる最悪のパターン。
・明と篤の兄弟愛を描きたいのは分かるが材料がなさすぎ。そもそも原作がそういう兄弟愛で泣ける話でもないんだから。ひたすらパニック系なんだから。こういう中途半端なの嫌いです。逆に無い方がいい。ちょっとあるだけでしらけるから。
・ユキがさらわれる必要性なし。いらないものがありすぎていらない。
・続編などさらさら見ない。むしろ無い。もう帰ってこないで。
・雅×篤 は萌え。「悪あがきも愛おしい…」 これだけが唯一の萌え。これだけでいい。
・2時間もいらない、ダイジェストで30分にまとめたやつ宜しく。
・効果音にびっくりするだけのホラー崩れ
・雅VS宮本兄弟という熱いクライマックスにも関わらず、アクションかっこよくない。たぶん役者さんはすごくいい、見せ方が駄目なんだろう…せっかく皆さんカッコイイのに演出のせいで残念すぎる…可哀想。
・色んなものを集めすぎた。お祭り騒ぎで散らばりっぱなし。
・あんなに再現した匂いもある村のセットが可哀想に思えてくるほどつまらなかった。
・主人公、明という人に入り込めない。何故この人が怒って戦いたいのか、起きていることや理由はわかるが、どれも遠くから見ているようで近くにこない。おそらく、人物がみな客観的に撮られていてアップとか少ないから…だと思うんだけど…。皆、均一なんだよね。
・ポンの死はかなり重要なとこなのに、あっさりしてて涙もでないし感情を無視されてる感じでだいぶしらける。
・最初の明が子犬をあやすシーン、いる?何のためにいれたんだあれ…。演出になんのこだわりもない気がする。ただ吸血鬼に襲われるドキュメンタリーを見ているような、でもまだ普通のドキュメンタリーのほうがまし。ここがいい!!という所が一つもない。
・篤と明に焦点をあてるなら、初めの子犬とか学校はカットして、篤が何故彼岸島にいるのかの説明から始まったら良かったんじゃ…サラリーマン襲われるシーンもカットしてさ…篤が涼子の島へ行ったくだりから始まって、雅解放しちゃった…ばーーーん!!で彼岸島始まれば良かったんじゃねぇの。そうすればもっと雅という恐ろしいキャラが立ったと思うんだけど。
・監督は彼岸島というものをもっと多くの人に見てもらうために年齢層を下げたとおっしゃったが、そうこう風に考えることからもう彼岸島を否定しているように思えます。残忍なのが彼岸島です。それでいいんです。アクションに力を入れたのはわかるけどさ…コメンタリーも途中で切った。特典などいらない。

原作愛を感じられず、何だか泣けてきました。2時間あるなら他の映画を見ます。本当に実写をやるなら、原作リスペクトしてください。好きでたまらないんだと思ってよ。見てるほうが辛いです。やっぱりわかってしまいますよ、出ちゃいますよ画面を通して、どれだけこの「彼岸島」が好きかっていう好き度が。もっと違う人が作った彼岸島が見たいです。ちゃんと原作を愛している人の。

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SAMURAI FICTION

監督 中野裕之  公開・1998

今から300年前、俺はこの男だった と、空から地上を眺めるような、雲の合間を漂っているかのような、不思議な感じで物語は始まる。白黒画面で何やら古臭さを演出しているのか、と思いきやそこにある監督の意図は黒澤明リスペクトからでした。軽快な音楽がテンポよくて、ロックンロールなファンキーサムライ映画。人が斬られるシーンや炎が立ち上っているシーンは  を画面に入れ、白黒との差が明白。淡々とならない、印象的なメッセージとして色を使っている感じ。作中で語られるが、「善も悪もある。それが人間。命を奪う理由はない。天から授かった命をまっとうすること。」これが人に与えられた使命であるということ。大切なのは全力で命を燃やし生きることなのですね…。実にシンプル。何故私は生きているの?と小難しく考えている人にズバッと言ってやりたい感じにさせます。最後、平四郎が川の底から宝刀をとってくるシーンでは、  綺麗な川の色が広がる。血の赤とは対照的。、=生 =死 という意味なのではないのかと考えてしまった。劇中ではこの赤と青しか色がついていないので、そういうメッセージだったのではなかろうか。最初、空から始まったのは平四郎がきっと人としての生をまっとうし、神か仏か…高い領域に行った感じで、過去、こんなことがあった…と振り返っている感じで、そしておそらくこれから別の生を生きるかもしれない暗示…なのかと思いましたがどうなんでしょ。見終るととても平和な気分で何度でも見ようという、良い気分にさせてくれる作品でした。ヒロイン小春の緒川さんが女の子らしい可愛らしさとこれから女性になる美しさが同居していてなんとも癒しでした。平四郎うらやましい。お勝の艶やかさにもやられつつ。熟された女の人のなんと美しいこと。夏木マリさんカッコイイ。二人の女の対比もよくて。どっちが好き?と聞かれたら両方です…と答えます!個人的に忍者集団が可愛かった。キャラがひょうきんなのが多いので台詞とかやりとりが楽しい。特に神戸さんはやばい、面白すぎる。

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観察 ~永遠に君をみつめて~

監督 横井健司  公開・2007

ゆっくりと流れる日常と思いと背景と。茂樹と弥生のふたりの人生を追っていく形の物語。テーマは 純愛 切ない愛の話でした…。彼女を見つめる(観察)ことが生きがいの彼。そして彼に見つめられることが、また彼女の支えになり…。初恋の人なのにお互い人生で会うのが1、2回って…。常に存在を遠くに感じるっていうね。この話は二部構成になっていて、初めは茂樹編。そして弥生編。で、最後につながる。普通ならこんな風に望遠鏡で見られて犯罪めいてて気味が悪いとか思うだろうし、異常か?と思うよね、しかしこの話を見ていると、全然そんな、気味の悪さは感じられず、やはりそこには愛情しか感じないのだから不思議。雨宿りに使った思い出のトンネル。雨の音。物語全体に漂ってる湿気というか、何と言うか、じれったさが雨とリンクしていて、見ているものを切なくさせるよね。もうそこまで好きなら今すぐ会いにいって抱きしめてやれよ!と何度も言いたくなるのですが、会って近くにいたらもうそれは「観察」ではなくなってしまうわけで…。弥生の言う「人との距離感がわからない」が物語ってるような。きっとこの茂樹、望遠鏡との距離…そこに心地よさを感じていたのだろうなと。見られていることが支え。しかし最後の沢山の日記…「望遠鏡の光をつかみたい…」的な一文があり、号泣でした。やっぱり会いたかったんだろうなーって思ってしまって…。幼い弥生が茂樹の望遠鏡を返しに家に行くんですが、気づかれないんですよね。チャイムの音に何故気付かないんだよ…。あの時気づいてたらさぁ…って!「ヤホホホゥ~♪」の歌が切なくて…。お互い家庭をもったけど連れは愛せないし…弥生の夫の最後が悲しくてさ、ずっと俺を見ていないって。茂樹の嫁はしょうがないと思えましたが…嫁さんは元々男運なし、元彼がガソスタで嫌がらせしてくる程度の奴だから。茂樹について行くと言ったけれど、茂樹に気持ちはないって明白だったわけだし…それでも好きだからついていったのかもしれないが、連れてってというにはただの逃避だった気がしてならない。存在理由を結婚と家庭にもっていった感じの、愛はあるのかわからない不確かなもので。とにかく、茂樹と弥生は純粋すぎるじれったさで、それが40年余りも続くのだから、これが本物なのだろう。片方が死ぬまで真実の気持ちがわからないなんて、泣けてきます。これもひとつの愛するということの方法なのだと。

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ピンポン

監督 曽利文彦  公開・2002

いきなり橋から飛び降りるとこから物語スタート。ここの橋とか風景とか全部本物を使っていると思いきや、CGだったなんて…!気づかないほどリアルに、物の匂いとかしてくるから、本当に技術力すごい…。匂いと言えば、卓球タムラの古臭い道場!ここも本当にある場所から、監督のイメージに近づけるためCGなど駆使したようですが、本当に、匂ってきますよね…。狭苦しいところで卓球をやっているこの暑苦しさ!雰囲気のある道場は物語のメイン場所といってもいいのでは?ここでぐっと掴まれる感がありました。

主人公ペコのちんぷんかんぷんな性格。言動が普通ではないところがキャラの魅力。ドラゴン、チャイナ、アクマ、そしてスマイル。全て一人ひとりが埋没していない性格。これが物語の基本なんですね…。

ペコとスマイルは特殊な間柄だと思います。
そう、スマイルがちょっと普通じゃない。ペコのおかしさに気を取られてしまうけれども、ペコは意外と普通。過去、泣いていたスマイルを助けてくれたのがペコなんだけども、それがヒーローに見えてしまった。そして卓球まで教えてくれた。その記憶って永遠なんだよね、スマイルにとっては。誰しも助けてくれた人っていうのは記憶に残って高尚な存在になるのはわかるのだけども、いつだってそれが永遠ではないよね…。あの時の記憶の中の人だよね。しかしスマイルはペコを、永遠のヒーローにするんだよね。小さいときから一緒だから、どちらかが引っ越しとかしない限り青春時代はずっと一緒だし、一緒にいる限りはヒーロー続けてほしいし。スマイルはあの時のまんま、神社の階段で泣いてたあの時と全く変わっていない純真さなのだよね…。
ペコはそんなスマイルの存在が鬱陶し…くはないけども、ちょっと心配ぎみだし、そんな風に思ってくるスマイルを引き離したいようなそうでないような。

才能とはなにかというのも、この物語は問いかけてくる感じですよね。スマイルの方が才能があるというのはチャイナの反応しかり、もうすでにペコもわかっているんだけども、当の本人は全く気にしていない。そんなものスマイルにとってはどうでもいい暇つぶしだと…。卓球が好きというわけじゃないんだよね…そこがペコやアクマとは違う。才能があればいいというわけじゃない、そこには「好き」ありきだから。ペコは卓球が好きで好きでたまらない。だから負けるのもくやしいし、スマイルの才能に怯えているようにも思える。しかし、「才能」がそんなに重要か?ドラゴンとペコの試合、ドラゴンは卓球の鬼。練習練習で勝つことのみこだわる。しかしそれ以前のものを忘れてしまった。そう、「好き」っていう気持ち。ペコが卓球の楽しさを試合を通してドラゴンに教える。原点は 楽しい これにつきるんだよね。だから、心の持ち方が一番、才能に関わってくる。だからそれほど重要ではないということがわかる。現にペコは本物のヒーローになる。

ペコをヒーローにしたスマイル…このふたりなくしてピンポンはない。ヒーローを待つ。絶対に信じている存在。それに応えるペコ。お互いの存在がお互いを照らして、強くなるんすね…最後のスマイルの笑顔の写真。よかった…。決勝のペコスマ試合、スマイルは手を抜いたのか、本人は手は抜かないと言ってましたが、「カッコ悪いペコを見たくないから」と言う、永遠ヒーロー像は決して変わることがないので、本人は自覚ないですが手は完璧に抜くだろうな…と。 面白い関係ではないですか!

しかし心に残った台詞は、ドラゴンの「君(スマイル)と語らいたいのだ…」とアクマの「来るな…少し泣く」 です。アクマはかっこいい。

サウンドと映像の融合がはんぱないので、本当にリズムを刻むように見れるし、物語を引き立たせるってうのはこういうこと…みたいな。原作を知らなくても普通に入り込めるし、原作の漫画との違いなども気になるところ。電車のシーンか何かでエキストラとして松本大洋さんが出演しているらしく、ファンにとってはたまらん一作なのだなぁと思います。

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