監督 ピーター・ウィアー
公開・2004海洋で繰り広げられる戦い。男くさっ…いや、これが男なんだ!という力強い映画だと思う。船上での戦いは人数もかなり多いので迫力あり、嵐とか来ちゃったりするので、波とか海の厳しさもリアルに伝わってくる。実際見ていて船酔いしそうだった。怪我は本当に痛々しく、死んでいく仲間達を弔っていく姿は泣けて…ブレイクニー少年は凄い。まだ十代も前半ぐらいのあんな小さな子なのに腕を斬り落とされても(腕の負傷で治療するけど麻酔も何もないから…)涙を我慢するなんて、偉いというか誇り高い心の持ち主。子供にみえない、カッコイイよ!音楽もクラシックな感じが時代背景とあっていて心地いい。このバイオリンを艦長とその親友である医者スティーヴンが演奏しているのだけども、へたくそさがなんとも愛嬌あっていいよね。この二人の性格は正反対で何度も意見が食い違ってぶつかり合いを何度も起こして…でもお互い理解してるし、結局は気遣うし。何だか男しかいない船の中なんですけど、この二人の絡みが愛情感じないではいられないので、じ~んと萌えた。特にガラパゴス諸島での出来事は泣けた。何でここが泣けるのかは人それぞれです。敵との戦いをとるか、今ここにある雄大な自然に目を向けるか。かつてガラパゴスは本当に宝庫だったと思う。見た事のない生物が沢山いて、スティーヴンのうきうきする気持ち、これから採取するぞ!っていう格好してたじゃない…準備万端で。なのに「任務」だとか言って艦長…ジャア――――ック!!スティーヴンの心折るなや…。その後のうなだれたお医者さん本当に見てて辛いよ、泣けてきたよ…そこにブレイクニーさん来て、ガラパゴスの貴重な虫だよ…って(泣)虫をお医者さんにあげて…励ましてる…一番気遣いのある大人。戦いの合間の夕食のシーンや日常風景が臨場感あって良い。というか、この映画ってアクションものだけど、細かな人間描写に重きがあるような。皆、目的は敵のフランス船を倒すことなのだけど、戦いを撮るというより、その中で生きている男達の生きざまを撮るような。なかでも、ホロムの自殺はショックで、男社会の権力っていうか階級というか、上に立つものがなめられてはいけないのは当たり前で、そうなってしまう状況になったのも仕方ないし誰のせいでもないと思うが、死を選ぶまでに追い詰めてしまったのも悲しい。皮肉にも彼が亡くなった後、風が吹き、状況は好転してしまうのがなんとも。見終ったあと、長い歴史の、人の、一部分を見たかのような気分になりました。まだ続きはあるんだろうし、終わらない彼らの冒険です。私的にはガラパゴス諸島が見どころ。艦長よりもスティーヴンに同意。それほど生物の神秘に惹かれるものがある。しかし、結果、
男は戦う その自然もいいけれど戦うんです。物語最後の艦長の台詞
「鵜は飛べないんだろ?だから逃げないさ」 が答えな感じ。今しかできないことをするんです。艦長と医者の友情がまどろっこしい感じな、恋人だと錯覚しそうなほどだったのはたぶん気のせい…一度はガラパゴス拒否ったのにスティーヴン撃たれて弱ったらすぐガラパゴス行ったからあの艦長。そんでまたガラパゴス去るの早ぇーし。スティーヴンは可哀想、あんなご主人は嫌。人間関係がとても楽しく見れて満足でした。
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