監督 ピーター・ジャクソン
公開・2004最終章…長かったけど、見てよかった…。もう続きがないのが寂しいぐらいである。今回、冒頭からスメアゴル(ゴラム)の過去から始まる。彼も元は普通の素朴な青年だったのだなと考えると胸が痛い。指輪と出会ってしまったがために、その魅力に心奪われ、友人を殺してしまい、一人ぼっちに。心の弱さ…それを責めることはできない。悪の因子は心の弱さであると。誰しもが強い心をもっているわけではないから。指輪の力でゴラムの命は長らえ、指輪の魔力で身体と心は蝕まれ、人間とはかけ離れた醜い姿に。一人の人生が分かると、例え憎い奴でも情けをかけてしまいたくなります。フロドの考えは正解だったと思います。もしもあの時、サムが言うようにゴラムを殺していたら、きっと指輪は葬れなかっただろうと。指輪を火口に持っていき、あとは手を離すだけで苦しみから解放されるのに、長く指輪を所持していたフロド。やはり指輪の力を甘く見てはいけなかった…、指輪は僕の物だと。指輪をはめてしまうのですが、そこで彼を尾行していたゴラムが指輪を奪い返そうとフロドに飛びかかり…。あの妨害がなかったらきっと指輪はまだ現世にありました。フロドの情けが、指輪を葬る結果をつくったのだと思います。本当に良かった。そして、長い間彼に使えたサム。フロドがサムを勇者だと言っていましたが、本当にその通りです。ゴラムの悪のささやきに惑わされ、一度はサムを裏切り置いていったフロド…。後でサムが正しかったと、サムの存在がどれほど大きかったかを知る。サムはゴラムに陥れられ、フロドの信頼を失い、失意で涙いっぱい…元来た道を帰ろうとするのですが、やはり主人のもとへ。最後まで忠誠を誓うことに変わりなくフロドのピンチを救う。
「指輪の重荷は負えなくても、あなたは背負えます」と…力なく横たわるフロドを背負っていく姿は、やばいほど男前。号泣…。ラスト、世界に平和が戻ってホビット庄に帰り、かねてから好きだった人と結婚し家庭をつくったサム。フロドは役割を終え、もうこの世界に戻ることはできないと…ガンダルフや、エルフ達が旅立つ永遠の国、不死の国へ一緒に行ってしまう。「指輪物語を書き上げるのはお前だ」とサムに本を手渡して。サムは新しい世界に生きる。最後の「戻ったよ」が平和の訪れで、いつもの愛すべき生活の始まり。自分の役目、使命が果たされると現世ではなく別の世界へ旅立つという、それは「死」ではなく「旅」というのが良い。終わりではないという、未来が輝いているようで…。長い旅でしたが、見ている私も物語の一部になったみたいな錯覚があり、皆と旅をしてきたような一体感があった。終わると力が抜けてしまう。この映画見て良かったなと思いました。正直でまっすぐな物語。監督さんがこの話のテーマは
友情、勇気、忠誠、愛 だとおっしゃっていましたが、本当に生きていくのに必要な力の元が全て詰まっています。種族の違うもの達が力をあわせて戦うとか、世界平和とか、今の世界にだって必要なことが沢山でした。本当にありがとうございましたと言いたいです。以下気になったシーン箇条書き
●ピピン、メリー、ガンダルフらと再会のシーン。パイプ吸いすぎだし、なんか食いすぎだし、のんきすぎる。久々の癒し…そんな姿にガンダルフ呆れ顔で一言「ホビットめ…」●ガンダルフ、目を開けて寝る。とても怖い。正直、サウロンより怖い●ゴンドールの城(定かではなし)が真っ白すぎて綺麗すぎ。●ガンダルフのピピンの扱いがひどい
「つまりお前は何もしゃべるな」●ローハン国やさまざまな国が援軍など助け合おうとするシーン。のろしが山の上から次々上がっていくところは雄大な自然につつまれかなり壮大。規模のでかさが半端ない●二部でボロミアの兄だと思っていた人はボロミアの弟でした。ちゃんと見ろ…●ピピン、ゴンドールの執政に忠誠を誓う。執政に歌を歌えって言われて歌ったピピンの声が美声すぎて鳥肌●メリーもローハン兵に。小さすぎて可愛すぎる兵隊。●エオウィン姫、アラゴルンに振られるも強い女。男装してローハン兵に紛れる。メリーも一緒に馬に乗る。この二人の組み合わせ可愛い。そしてエオウィン強すぎ。「私は女だ!」がカッコよすぎ…女キャラではエオウィンが一番好きです…●ガンダルフじいさん、狂い始めたゴンドールの執政に容赦なさすぎ。執政の言動全て無視なのが逆に爽快すぎて笑えた…●ゴラムが案内したトンネルが気持ち悪すぎ。クモの糸とクモと…リアルなネバネバが嫌だった●戦闘シーンは全て。騎馬兵がずらっと並ぶと爽快だし、圧巻…。オークの兵の多さが尋常じゃないのでまぢゴキブリみたいだった●いきなり現れたゾウのような動物に乗って戦う部族…モンハンみたい●レゴラスが強すぎる。火の打ちどころのないイケメンすぎて、たまに言うギムリの皮肉に全て同意●黒門の前でレゴラスとギムリのやりとり。ギルム「エルフの隣で討ち死にするとは」レゴラス「友達の隣でなら?」ギルム「いいね…それならいい」結局は仲良し●オーク兵VSアラゴルン率いる西の民「フロドのために!」負けると知っていながらの戦い。一斉に敵に向かっていく姿が鳥肌●フロドとサムの関係「お前と一緒で嬉しいよ」●鷹に乗ったガンダルフ。フロドらを溶岩の中から救出…どこまでもガンダルフじいさん頼りなる人●フロド、ガンダルフとの再会。ようやく彼の笑顔が…仲間と続々再会。皆無事に生還できて良かった…●アラゴルンがカッコよすぎ。新時代の王に…ホビットの4人は友達だ…と頭を下げることをやめてくれと。どこまでも友情半端ない●最後、エルフとガンダルフ、ビルボとフロドの旅立ち。旅立ちの舟が綺麗すぎ。輝きが半端ない●主人公のフロドは他のキャラと比べると台詞も少ないしアクションが少ないけど、彼の苦悩の表情というか、全て台詞で感情を表現していなくて、存在感があって、若いのに良い役者さんだなぁイライジャ・ウッド…
良いお話でした…三部作で良かった…。
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