忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

キッチン・ストーリー

監督 ベント・ハーメル  公開・2004

なにこの温かな話。なんだこの可愛い初老達は!おだやかに流れるこの時間がとても心地よかったです…。冒頭は台所用品の説明から入ります。機械だらけの無機質な感じ。台所における独身男性の動きを調査するという使命のもと、スウェーデン人のキャンプ観察団がノルウェーにやってきます。観察者は被験者の台所へ出入りするが、会話をしてはいけないし、ほぼ透明人間にならなくてはならず。観察員フォルケと被験者イザックの関係が、ゆったりと変わっていくところが見どころです。初めはお互い気を許さず、緊張感が半端ないのですが、いつしか被験者が観察員を観察。フォルケが勝手に塩を借りる(お弁当のゆで卵にかける)。タバコの火がなくて困っていたイザックにフォルケが火を貸す。そんな小さな行動が、いつしか二人の心を通わせ、会話をするまでになる。フォルケがイザックの誕生日を祝ったシーンは最高に幸せそうです。酒も飲んで、べろべろに酔って…。観察員が被験者と仲よくなることは禁止されていて、知れたら解雇されるということを分かっていながらもフォルケはイザックと交流する。イザックもフォルケに対して友情が芽生え、フォルケが解雇されないように嘘を取り繕ったり。部屋の隅にある観察台でフォルケの真似して座ってみたりするイザックが…可愛くてたまらんです…。夜とか台の上で眠っちゃったフォルケにそっと布団をかける姿も愛を感じれてよかったです。人は機械じゃないんですよね。システムとか行動パターンとか、そんなものでは推し量れないもの…「心」があるんですよね。あと食べものが何とも印象的です。フォルケのゆで卵弁当は素朴で美味しそうだし、イザックがバリバリとかじる板チョコも。フォルケがキャンプカーで音楽を聴きながら食べている食事も美味しそうでした。あと、ろうそく立ちすぎなケーキも…。テーマ曲がポップな感じで作中にたまに流れる曲も同じだったりで楽しい気分にさせます。お気に入りシーンは ●おっさん(イザック)がおっさん(フォルケ)を観察。頭皮見すぎだろ…何が楽しいんだろうっていう…わざわざ穴まであけて…ユーモアだなぁ●イザックの友人グラント、髪の毛を切ってもらったり、何かと家に来て、おっさん同士仲良しだけど、仲良しすぎたための嫉妬半端ない●イザック、チョコ、食べすぎ●コーヒーを飲むおっさん達●フォルケのイザックに対するお礼「ありがとう」これが初めて交わした言葉だったような●誕生日パーティー●馬の上で寝るフォルケ●イザックのベットで寝るフォルケ●フォルケのキャンピングカーが線路の真ん中に放置される事件。それを涙ながらに悲痛な声をあげて見たイザックが馬車で家に戻す(ここはかなりきた。凄い愛を感じる)●帰れという命令を無視してイザックのもとへ行くフォルケ(とても清々しいです)●「死は最初から予定されている」ラストは切ねぇ…泣く。●イザックはいないがフォルケに新しい友人ができたらしい(コーヒーカップが二つ)●ノルウェーの田舎町が雪景色から青々とした春景色に…… 老後とかこんな風に暮らせたら何とも穏やかでいいよねぇという気にさせます。穏やかで楽しい人間関係が人生を豊かにするのだと。見たあと優しい気分にさせる良い映画でした。

拍手[1回]

PR

王妃マルゴ

監督 パトリス・シェロー  公開・1995

残酷な話であった…。フランスの宗教戦争ってこんなにおぞましいものなのですね。カトリック対プロテスタント…宗教の争いは今もあると思いますが、何年経っても人間が争うことって、そんなに変わりない感じで、人間の愚かさを痛感した映画でした。残酷な死体描写など、忠実に再現してあって本当に、歴史の一部をリアルに描写した…そんな感じで、とてつもなく濃い時間を体験できます。見た後は放心状態です。というか、プロテスタントとカトリックの違いがよくわからんのですが。ちゃんとキリスト教知ってから見ろよという感じですか…はい。女優さん俳優さんの演技がとても自然で、どのキャラも濃くて良かったです。マルゴ役のイザベルさんが何とも妖艶で美しいです。王妃なのにあの素行の悪さ…たまらんですよね…。自分の欲望に素直で本当に率直。兄弟達ともそういう関係なのか、貴族って本当に怖い。狂ってる!!!仮面をつけたマルゴ様がお気に入りです。女の人の衣装がどれも綺麗でよかった…マルゴの友人も良いお姉さんであった…。あとシャルル役のジャンさんも良かった。特にシャルルのコリニーに対する愛が、本当の父以上の愛で、本当に大丈夫か心酔にもほどがあるだろ…ってなりました。暗殺は失敗したけど、それを知ったシャルル…皆殺してしまえ!は本当に憎悪の塊です。こんな大惨事にしてる全ての首謀者は母のカトリーヌなんだが。何というババアだ…。あんなにも息子がいてその中の一人しか愛してないとかなにそれ…しかもその溺愛ぶりが怖いよ。もう息子あんなにでかいのに、いつまでたってもおしめのとれない赤ん坊みたいな接し方だよ…。狂ってる!!!平和のためとか言われて政略結婚させられたマルゴも可哀想。平和のためなら人を殺しても罪にならないというのだろうか。平和と言っているが、ただの権力争い。自分達の私利私欲のためだろう。そんな中、本当の愛を見つけたマルゴ、しかしこの運命には逆らえず、愛した人処刑されてしまうし。時代に翻弄されまくりながらも、最後まで自分の正当性を訴えたマルゴは良い女だと思います…。あと、シャルルが死んでいくさまは本当に辛くて…自分を愛してくれる人は本当は誰もいないのではないのかという悲痛な訴え。マルゴに最後すがりついて死んだシーンは泣けました。血が吹き出ながら死ぬ毒とか…あのババア本当にやることが鬼畜。愛とは何か?ということも訴えてくる映画でした。人間の汚さも際立ち…「欲」という言葉がよく似合う感じで。衣装や小道具、時代背景などもかなり忠実な感じがして、物凄く格式高いです。

拍手[0回]

インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説

監督 スティーヴン・スピルバーグ  公開・1984

分かりやすい冒険活劇!見た後スッキリするし、素直に楽しませてもらった感じで、面白かったです。始めから終わりまで息つく暇を与えず、終始ハラハラドキドキ。ユニークなキャラも、コントのようなやりとりもテンポがよくて笑えました…。悪人も悪人なんですけど、どこか憎めず、宗教団体の群衆がひょうきんすぎ…。落ちて死亡しても潰されても何故かさほど残酷さがない…むしろ笑えるのは何故だ。騒がしい人達大好きなので見ててあきません。色んな玩具がつまったびっくり箱のような映画です。特にお気に入りなのは宮殿でのゲテモノ料理フルコース。ウィリーのリアクションがいちいち大げさで…隣のショーティの方が冷静というのが良いですね。脳みそシャーベット、蛇のびっくり料理…斬新ですよね。これでもかというほど気持ち悪くて!ここまでいくと清々しくて良いです。物語導入部で、インディが中国の奴らにはめられて毒入りの酒を飲んでしまうのですが、「その毒は早くまわるから死ぬぞ」って言われてるんですが…解毒剤を奪うまでの乱闘時間…ショーティの車に辿りつくまで…けっこう時間かかったよね…あれインディじゃなかったら死んでる。そしてショーティ…あんたは万能すぎる。何故車を運転できる?ゲーム感覚か!!インディが危機にさらされているとき、絶対にショーティは助けようとする。相手は大人なのに…何人もいるのに。その心意気、凄い。あっさり捕まるけど大好き!!ずる賢く素早いショーティ…良いキャラしてます。ラスト近くでインディがショーティを抱きしめるのですが、ウィリーというヒロイン(ギャグ色が強いので綺麗なのに損してる…だけどそこが好き)がいるのに、このおっさんと少年のやりとりの方が何かエロいです。純粋な愛情…ですよね。良い相棒だ…。そしてラスト、畳みかけるように、トロッコ→水→吊り橋 はハラハラの極致でした。アトラクションです…完全に自分も乗ってます。ここまで楽しませようとする監督のサービス精神、溢れんばかりなのが伝わってきて有難うでした。で、最後の最後でウィリーをムチで捕まえるというインディ…ラブだけどそれおかしいから!!絶対にインディとウィリーはそういう仲じゃない、おかしすぎるギャグだろ全て…しかしこの二人のやりとりも面白かったです。ショーティほど愛情は感じませんが、ハチャメチャで。悪者は完璧に叩きのめし、無事、サンカラストーンも取り返し、困っていた村を救い、良かった…良かった…でした。単純な面白さを極めるやり方。エンタメってこれだよな!という映画です。

拍手[0回]

ハイジ

監督 ポール・マーカス  公開・2006

見たあと心がほっこりします…。山がある大自然はいいですねぇ。私もハイジと一緒におじいさんと暮らしたいです。日本アニメのハイジ(宮崎駿)のイメージでつい見てしまいましたが、全くそのままのイメージでした。ハイジにおじいさんにペーター、クララにロッテンマイヤーさん…全てのキャストがはまりまくっていて、今現在もスイスの山村に住んでいるのではと思ってしまうほどです。ハイジは「ハイジ」という題名にふさわしいほどヒロインです。こんなに素朴で愛らしくて、まっすぐな女の子、絶対、好きになりますよ! ちょっと風変わりだとか叔母さんやロッテンマイヤーさんは言いますが、それは純真だからこその感受性の豊かさにあるんですよね…普通の子では感じとれないことを感じとってしまうんですよ。鳥が鳴いてたら「なぜガーガー鳴くの?」っておじいさんに聞いたり。おじいさんはおじいさんでそんなハイジの問いに「村の人間を嘲笑っているのさ、人のおせっかいせずに山に登ってみろ、幸せだぞ」みたいなことを皮肉たっぷりに返す。おじいさんは中身は良い人なのに外面が悪いせいで、無い噂を叩かれたり…それを気にしないほど図太い精神でもなく、本当は凄く繊細で。だから山でたった一人、人と関わらずに生活をする。傷つきたくないから。そんな繊細で気難しいおじいさんはハイジの裏表ない愛情を真に感じ取り、心を開いていくのです。ハイジによって人と人が結びついていき、和が広がって豊かになっていく。山、自然が弱った人々を癒すのならハイジは自然そのものです。ハイジによって人との関係を再開したおじいさん。車椅子のクララはハイジの明るさに触れ親友になることで、山に行き、歩けるようになる。ペーターは勉強が嫌いだったが、ハイジが本を楽しく読んでいたので字に興味をもつようになる。ロッテンマイヤーさんは唯一、ハイジを認めない冷たい人。しかし認めたくないのには理由がある。ハイジの天真爛漫な良い子はつくりものではなく本物。つくりものの良い子の皮を被っているロッテンマイヤーさんは、自分の嫌な本性をハイジによって知ることになったと思う…おそらく。主人公によって周りが影響しあい、変わっていく過程をゆったりと楽しく見れる映画です。ハイジはずっと変わらない皆のアイドルです。山小屋での生活風景など、目で見て楽しい部分がたくさんあり、何よりチーズとパンが美味しそう。ヤギや子猫やカメも可愛いです。人を幸せにすることをハイジから学べます。ハイジ大好きです。

拍手[0回]

列車に乗った男

監督 パトリス・ルコント  公開・2004

ちょっと泣いてくる…。ラストが胸迫る…。解釈も人それぞれ違いそうな、若干難解そうな雰囲気。ちょっと他の人のレビューも見たくなって読んできました。自分が分からなかった部分をちゃんと画面から感じ取れる人は凄いです!!そしてこの映画は寝起きに見ないほうがいいです…ちゃんと頭が冴えてるときに見よう…。物語初め、列車が走る音と音楽が印象的。主人公は二人の男、銀行強盗のミラン(中年)。元教授のマネスキエ(老人)。ミランが教授の町へやってきて、偶然、薬屋で二人が出会い、薬を飲む水がないと困っていたミランを教授が家へ誘い、何かそのまま一緒に生活するという展開である。全く違う人生を歩んできた二人、正反対だが、そんな相手を羨ましく憧れ、惹かれあう…お互いがそんな貴方になりたかったというような、なんとも切ない話で。土曜日に運命が終わってしまうのか、終始緊迫した中にも二人の穏やかな心の共有がある。二人の男を中心に、その関係性を楽しむ映画なのかな。淡々と進む日常のなか、お互いが今までやりたかったこと、胸に秘めていた思い、二人とも人生の後半で死を待つのみな生活だったからこそ、あれほど共感しあい心を行き来することができたのだなぁと。個人的に気になったシーン●教授の一人芝居(銃を撃つ)、一人パズル、一人下ネタ(ミランを笑わそうとしたがミランに全くウケなかった…みたいに見えて失笑)●ただ淡々と飯を食う二人●ただ淡々と月を見ながらテラスで語りあう二人●パン屋のくだり(女店員の口癖)優しい嘘をつくミラン「ちゃんと言ってたよ」的な●教授のところに通いにくる生徒が何気に美少年●教授の女(熟女)登場でおっさんが嫉妬●物語全体に漂う加齢臭…な個所でけっこう、クスクス笑いました…。切ないですけど、ユーモアも散りばめてあって、悲壮感が和らぐ感じで微笑ましくとても良かったです。印象的な台詞は 「優しさに用心しろ、慣れてしまうから」「年を経るほど輝きは増す」 年とって自信をなくしたと言うマネスキエにミランが、輝いてると言ったこの台詞は何ともせつねぇです。教授にとっては駄目だと思えることでもミランにとっては全て輝いてるんですよね…まぁお互いそうなんですけど。教授がミランに銃の撃ち方を習ってるとこも、何だかせつねぇです同じ意味で。二人はラストで死を迎えるのですが、死の淵でようやく目が覚めたというか、新たな世界が見えてきて。それはミランはマネスキエの人生を、マネスキエはミランの人生を生きるという。初めはミランが列車に乗りこの町にやってきたけど、今度はマネスキエが列車に乗り旅にでる。行き先は分からないまま。このラストの教授がミランにカギを渡すところとか、二人交差するとことか、やっとお互いが生きたかった人生を交代して歩けた…みたいな暗示になっているようで不思議な感覚にとらわれます。死んでやっと夢が叶ったという公式サイトのレビューで納得しましたが、私はこの映画は「死」が悲壮なものというか、新たな始まりのような感じに思えて、最後は良かったと思えました。だけど色んなレビューを読むと泣けてきますね。はい、悲しいです切ねぇです(泣)とても綺麗な映画でした…。

拍手[3回]

ブログ内検索

ブログ


URL:http://tugu.kagome-kagome.com/ B*URL:http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/0d8b3191c705760178ecf73d1ed770ac/1355141752
リンクフリーです。
映画、アニメ好きさん歓迎です。

バーコード

訪問者(2013.1.24~)